一本のナイフから

引き出しから

花屋が使うナイフが出てきました。

花屋に採用チャンスも与えられる特典付きの、プロコースで購入したものでした。

金融機関で１０年以上働いたので、子育て以降は方向転換しようと思って飛び込みました。

花は通常、ハサミで切りますが、細い繊細なものは、ナイフでカットすると鋭利な断面になり、吸水性とスポンジに刺しやすくなるのです。

プレゼンテーション

の実習も良い思い出です。

どんな場面で、

誰に、

どんな花を作るか

と言ったことを説明します。

例えば、入院中の友人に、

香りや色は、あまり強くない花を選んで贈る。

ところが私は、その頃、

青山や、表参道あたりの路面店のショーウインドーにあるような

グリーンばかりで作られた、メタリックなアレンジが好きでした。

そこで、おバカな私は、

ショーウインドーに置くような、

前衛的で、ポップなアレンジ、

とか言って、プレゼンをし、

先生が『は？』といった顔をされたのを

今でも覚えています。

子育てが年子で、無謀だと言われ、その時の採用のチャンスは逃しましたが、数年後、協会講師の資格を取った後でしたか、アルバイト募集に応募したのです。

『井上さん、赤いメガネかけてたよね？』

と、面接官に言われました。

ショーウインドーの先生でした。

そして、ブライダルの仕事へ進むことになります。

人生がちょっっと、動いた瞬間でした。

続きます。